ローランド P. ヤング『ミスティフォニック』[EM1110CD]
デジタル配信版はこちらで購入できます:https://emrecords.bandcamp.com/album/em-records
『イステット・セレナーデ(Istet Serenade)』(2009)から発展したRPY流のエレクトロ・ミュージック。
前作『イステット・セレナーデ』ではアンプリファイドを控えめに、アコースティック楽器と響きに重きをおいていたが、今作ではサウンド合成(シンセサイズ)をしまくったエレクトロ・サウンドで彼の新境地を聴かせる……と、表面上はそうなのだが、コアにはやはり彼の哲学<アイソフォニック>が貫かれ、ヤング独特のコンプロヴィゼイション(作曲と即興の合成語)を通じて表現されるのは『アイソフォニック・ブギウギ』から続くあの世界。ゆえにサウンドの鍛錬度が格違いで、密度の濃さはディープ・リスニングにも耐えうる。また、完成する最後まで問題にしたのがサウンドの音圧と表情で、(当時)ブルックリンに生きていた彼のリアルさが、この攻撃的でヒリヒリした音の緊張感に現れている。(いったん完成したものの、その後リミックスを施して追い込んだ厳しい音に注目。)
CD版: 通常ジュエルケース仕様
LP版: 高品質プレス
TRACKS:
1. Thankfully
2. Caress
3. Envelope
4. Montage
5. Extension
6. Myst
7. Coast
8. Rolling
9. Motif Of