ノー・ライト・ターン『ノー・ライト・ターン』[EM1115LP]
リンダ・パーハクスやヴァシュティ・バニヤンのファン、そしてアシッドフォーク〜プログレサイケ〜ネオアコ・リスナーにスイセン。1980年代初頭、英中部のローカル・インディーが残した知る人ぞ知る名盤。30年越しの再リリース、そしてバンド念願の世界流通!
オリジナルLPはポストパンク/インダストリアルと見まごうようなジャケット(*注1)で、更に極左翼的メッセージのバンド名(*注2)。しかし!中味はこんなに美しいトラッド・フォークロックとは想像出来ようか?
イングランド中部ダービーシャーで活動していたフォーク・トリオが、華麗な美声を備えたヴォーカリスト、ジェイン・マースデンと出逢い、これを機に6人組のエレクトリック・フォークロック・バンド、ノー・ライト・ターンが誕生。彼らは英中部で人気を博し、1983年、フェアポート・コンヴェンションの核であったウッドウォーム・スタジオで、1stアルバムである本作『ノー・ライト・ターン』を自主制作。(フェアポートをリスペクトしたカヴァー曲「Lady of Pleasure」をアルバムに加えている)
NRTのユニークな点は、ライブ演奏にはあまり関わらないものの、フィル・ハリソンとティム・ドーソンという二人のソングライターがメンバーとしてバックについていたことで、主なボーカル曲のレパートリーは彼らのペンになるオリジナルだった。
リンダ・パーハクスを彷彿とさせるジェインの多重録音/ダブルトラック・ヴォーカルはバンドの華であり、英国の風ごとき爽やかさと憂いを帯びた声はハリソン/ドーソンのオリジナル曲に最高にマッチした。ネオアコ風アコースティックギターが疾走する「Roller Coaster」、郷愁を誘う名唱「Lawlands Away」、心地よいハーモニーの「What Do You Do?」など、時代を超えてアピールする歌曲が揃う一方で、「Drowsy Maggie/Ash Plant」や「Waves」といったトラッド曲を、ピンクフロイドのようにヘヴィーなプログレッシヴ・インストにリアレンジしてみせる。この絶妙なバランス感覚もバンドの魅力だ。一介のローカル・インディーの自主盤だが名盤というにふさわしい作品だ。
*注1:本版では多少デザイン改変。
*注2:地元のバイパスの道路標識にちなんで命名。実際の政治的含みは無いとされる。
*全曲リマスター
*ボーナストラック収録
*解説/英詩/貴重写真掲載。
*日本語・英語掲載。
CD 版:通常ジュエルケース+ブックレット
LP 版:インナースリーブ封入。
TRACKS:
1. Roller Coaster 3:51
2. Lawlands Away 4:08
3. What Do You Do? 3:20
4. Waves 5:05
5. Losers Blues 2:52
6. Drowsy Maggie/Ash Plant 6:56
7. Lady of Pleasure 2:17
8. Make It Easy 3:15
9. The Gold Ring 2:22
10. Summer Sways 3:17
11. Bushes and Briars 2:28 + *
12. A Poke in the Eye With a Sharp Stick 5:36 *
LP Side-A: 1-5, Side-B: 6-11
+ LP bonus track
* CD bonus track