Deep Listening Band『Then & Now Now & Then: Celebrating 20 Years』[US: Taiga 5, 2008年] 2LP
ケージ以後の米実験音楽の黄金期を率先した一人、ポーリン・オリヴェロスのキャリア後期を代表するプロジェクト、ディープ・リスニング・バンド(DLB)の結成20周年記念で制作された500枚限定2枚組LP。そのデッドストックを入手!当時情報を知らず買い逃した人も多いのでは?
DLBは、オリヴェロス、スチュアート デンプスター、デイヴィッド ガンパーの3人を核とし、1988年からパフォーマンスの傍ら断続的にCDを発表。かつて日本でも演奏したことがある。DLBは他者の演奏に深く耳を傾けること(ディープ・リスニング)を起点に演奏を行うことをコンセプトとし、即興的に演奏は進むが70年代フリーインプロのような狂躁状態に進むことはなく、終始一定の節度を保ったテンションでDLB的音響空間をつくり出す。
本2LPは各面1曲ずつの収録で、再リリース「Cannery Row」と未発表3曲で構成。「Cannery Row」は古い石灰岩採石場に潜り込んで録音し、空洞からしたたる水滴を楽音として参加させた代表曲。その他、DLBとしては珍しい部類になるポスト・ミニマル的演奏、など彼らが選んだベスト・パフォーマンスを収めている。録音・製造にも気を配りディスクはDMMカッティング+200gのヘヴィーVINYL、ジャケは2重にカヴァーを組み合わせた重厚かつ豪華な装丁(なので異様に重い)。VINYL盤の最氷河期2008年に500枚のみ制作され、CD主流の現音マーケットでは流通が悪かった。アカデミック寄りのレーベル Taigaのリリース。ちなみにDLBのVINYLレコードは本盤と同じくTaigaでのもう1作『Needle Drop Jumping』の2枚しか出ていない。
作品仕様:
+二重ジャケット
+200g VINYL、DMMカッティング
TRACKS:
Side A. Cannery Row 18:08
Side B. Enginuity / Deep Hockets / Spatial Specialization 19:25
Side C. Then & Now Now & Then 21:29
Side D. Deep SoundExchange 20:23