梅本佑利 [ 萌え²少女 ](ダウンロードカード+大判台紙)

型番 YUUM-M2G
販売価格 2,200円(税200円)
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※試聴クリップはページ下部にあります。






梅本佑利『萌え²少女』[Japan: YUUM-M2G, 2022年] ダウンロードカード+台紙

新進作曲家、梅本佑利の2022年新曲「萌え²少女」(「もえもえ少女」と読む) の「フィジカル版」。

ニコニコ動画で知られる「MAD」のいちジャンル、音MAD(音系MAD/音声MAD ※地下鉄の発車メロディを使ったDJ紫式部のチューンも音MADの一種)をインスピレーション源に、日本語アニメの「萌え声」をテキスト文脈の意味性から引き離し、音響面でとらえた実験作品。梅本の前作『スーパーバッハボーイ』をリアライズしたチェリストの山澤慧が本作も演奏パートを受け持ち、ここでは発話旋律/スピーチ・メロディに徹したハードコアな演奏を聞かせる。湯浅譲二「ヴォイセズ・カミング」とニコラス・コリンズ「悪魔の音楽」がニコ動投稿者にMADにされたかのような支離滅裂な音声器楽曲で、HYPERPOPマニアものけぞるような強力な一本!

「萌え²ちゃん」が印刷され長辺約26x15cmの台紙の裏面にDLコードが印字されたプラスチック製カードがついているが、これがけっこうデカく、別写真の『スーパーバッハボーイ』の箱と比較されたし。

=収録曲=
1. 萌え2少女 [04:28]
2. 萌え2少女 #2 [01:30]
演奏: 山澤慧(チェロ)
作曲:梅本佑利

1. Moe2Girl [04:28]
2. Moe2Girl #2 [01:30]
Performed by Kei Yamazawa, cello
Composition: Yuri Umemoto

=作品仕様=
+ QRコードおよびDL用URLとシリアルコード付きダウンロードカード x 1枚
+ 台紙(長辺約26x15cm)
+ WAV/MP3音源

=以下、公式案内=

「萌え²少女」,「萌え²少女 #2」(2022)は、独奏楽器とWAV音源のための連作である。音源は、声優との共同作業で収録された「アニメ声」によるいくつかのセリフを、DAW上で編集して制作された。独奏楽器は音源のピッチを模倣したり、ずらしながら演奏する。単語や文章として認識できるセリフを「スピーチ・メロディ」の手法で扱うほか、発音を一音ずつ母音の箇所で切り刻み、言葉の意味を失った、還元的な(音そのものとしての)アニメ声の素材が各所に用いられている。

「萌え²少女」では、前者の手法が曲全体を通して用いられ、#2は、後者の手法のみで構成されている。

この作品は、日本語の「アニメ声」、「萌え声」で発声された言葉が持つ「音響」を音楽的に提示することを目的としている。

既存のアニメやゲーム等からサンプリングされた素材を用いた「音MAD」と呼ばれる日本のインターネット文化は、この作品に大きな影響を与えている。また、「萌え²少女」で扱われる「スピーチ・メロディ」の手法*)は、スティーブ・ライヒやヤコブ・テル・ヴェルデュイ(ヤコブTV)の直接的な影響を受けている。それは基本的に、スティーブ・ライヒが「ディファレント・トレインズ」(1988)で実践したような、微分音的な話し声のピッチを楽器の音律で模倣するものであるが、この作品においては、用いる言葉や単語の連結によって紡がれる一貫した「物語」は意図していない。

「萌え²少女」は、「アニメ声」や「萌え声」、「少女」の声といった素材を音楽表現に落とし込む可能性を模索した実験であり、言葉に含まれる意味論的な内容をほとんどそのまま音楽に用いたが、#2においては、言葉を徹底的に切り刻むことで、意味論的な内容を引き離し、記号論的な内容に変換した。そして、それらの記号を過剰な情報量で提示することで、聴者が素材を、構築/構成主義的に捉え直す可能性を模索した。作者にとって、ここでの「萌え」や「少女」に実体は無い。

2022年9月14日 梅本佑利

*) 西洋音楽で用いられる「スピーチ・メロディ」の手法は、「音MAD」における「台詞イントネーション作曲」と呼ばれる手法と、ほぼ同義であると言えるだろう。


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