SUGAI KEN『如の夜庭』[EM1151CD]
“本当にその蟲の声は蟲の音か、石と天井そして庭・録音・パラドクス” ― Shhhhh
“ロスアプソンにてロングセラー中の和ンビエントなSUGAI KENによる名作、「時子音 -ToKiShiNe-」の初回入荷分に特別付属してた疑似虫音源が、なんとEM RECORDSさんからリリースされるとなっ!数人しか聴けてなくてもったいないなぁーと思ってた隠れ玉なので、CD化はものすごくウレPーーー!!! みんなこれ体験したら、ハウっ!とビックリすると思うよ〜〜〜。”
― 山辺圭司 / LOS APSON?
神奈川を拠点に活動するトラックメイカー、SUGAI KENは日本の夜を想起させる一連の作品、郷土芸能を体感・サンプリングし電化する手法で知られる作家だ。自らをトラックメイカーと称するように、ガチガチの現音原理主義的な音楽家ではなく、クラブ〜ニューミュージック周辺に身を置く、00年代以降の流れに住むアーティストである。
今回発表する『如の夜庭(ごとのよにわ)』(※造語で「夜の庭のようなもの」の意)は、「虫」の声に模した電子音を幾千幾万も配置し抑揚も展開も無く構成した1曲1時間ジャストのハードコアな作品!約10年前に録音して以来、発表の機会を待っていた彼の代表作となり得る大作が満を持して音盤化となる。
発端は、野外で夜虫の声を聞いていた作者がそこに「ある程度の規則性とレイヤー感がある事に気付いた」ことによる。その風景の電化に着手したが、虫一匹一匹をサイン波から加工し、それを手作業でシーケンス組み(!)した為、制作期間は12ヶ月あまりかかった。本作は自然音やフィールドレコーディングをノリで加工したイージーなものとは全く異なる域の純粋な電子音楽であり、新しい領域を提唱する静かで過激な作品!
TRACK:
如の夜庭 (60:04)