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トルソ『Water Curve』[Japan: 宇治香園 UJKCD-5348, 2024年] CD
コアなリスナーが待ち望むサクソフォニスト、KenjiとチェリストのOrieの夫婦による器楽デュオ、TORSO(トルソ)の新作が、おなじみ京都・宇治香園がプロデュースする「Tealightsound」シリーズの第11作目として登場。宇治香園の創業159年記念作品として発表される「茶」をテーマにしたコンセプト・アルバム、これが期待を外さぬ素晴らしい内容!
レフトフィールド・ネオクラシカルといえそうな2019年の自主制作ファーストLP『Set Out』(※同作A2「EM」はうちのテーマ曲)が内外で評判で、しかし作品主義的で寡作なユニットのためもっと作品を聴きたくても機会がない。
本作『Water Curve』はレフトフィールド器楽作品の方向は踏襲し、その中でOrieのヴォイスをしっかりフィーチャーしたこれまでで最もポップス寄りのアプローチの曲も含まれる。80年代後期のヴァージニア・アストレイを連想させる清冽な曲が幾つかあり、宇治香園の茶畑=英国田園風景、というイメージもわいてきそう。また、オーディオ的に音(録音)が太くなっている感があるのは錯覚ではない?
この「Tealihghtsound」、そのうち日本版「Made To Measure」(ベルギーCrammed Discの名シリーズ)と云われる日も近いのでは。音楽マニアで知られる宇治香園 小嶋総帥の審美眼とパトロン的態度が頼もしい。
■以下、公式案内
東京の音楽ユニット、TORSO(トルソ)が、茶をテーマにしたコンセプトアルバム「Water Curve」を京都の茶問屋より発表。
東京の音楽ユニットTORSOが、茶をテーマに制作したコンセプトアルバム「Water Curve」を京都の茶問屋、宇治香園”Tealightsound”より発表する。ORIEのチェロ、KENJIのフルートを中心に、たおやかな音色が幾重にも折り重なり、清澄な余韻を残す8篇の調べ。Joe Taliaのミックス、Graeme Durham(THE EXCHANGE)によるマスタリングで、その優美な響きが更なる高みに導びかれている。
アートワークとデザインは画家の角田純とデザイナー鈴木聖が担当、TORSOの音世界を豊かに視覚化している。