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NOISE VIBEZ『OUT LAW ~Gangsta Blues~』[Japan: Full Vybez FVCD-0003, 2024] CD
「ジャマイカで生まれたダンスホールレゲエが日本にたどり着き、大阪・泉州の地で結実した奇跡の作品」と評された1stアルバム『High Grade Style』(2020)に続くNOISE VIBEZ期待の2ndアルバム。エム・レコードとして制作をサポートしたご縁もあり取り扱いさせて頂くことになりました。きっちりCDを作ることの姿勢にも最大限のリスペクト。作品解説はSoi48!
NOISE VIBEZは今は亡きカリスマDEEJAY、446から受け継いだ泉州のサウンド《RISE UP SOUND》を運営する生粋のラガで、00年代初頭から作品リリースとギグを続けてきた本物のストリート・サバイバー。1st『High Grade Style』は20年近くかけて歌い鍛え抜いたチューンで構成した「満を持した」というにふさわしい強靭な内容(中味は自分でお調べを)でしたが、この2ndアルバム『OUT LAW』は地元・岸和田のサウンド・コネクションから発展したMC/DEEJAY/シンガー達との熱く篤いコンビネーション・チューンを多数収録することで全作と相当に違う景色をみせる華麗なアルバムとなっている。そう、これはアルバムを念頭に練られたコンセプト作品です。
それにしてもノイズ・ヴァイブスの顕著な個性は、基本、HIP HOP/モダンR&B形態の音楽をやっているのにたまらなくラガ/ダンスホールレゲエを感じさせること!こんな人はほかに知りません。これは一体何なのか!?かつて流行ったラガヒップホップ云々という形式でもなくて地(元)からにじみ出る隠しようのない個性というものなのか(「岸和田で生まれ 岸和田で育つ」)。個性(=独自性)というものはクリエイター達が求めて止まない究極実装であるはずですが、徹底的にローカルにこだわった末に自然と獲得した個性ほど強靭なものはないということなのか?適切な言葉がまだ見つからないのですが、個性と機会(とそれを獲得することで付随する様々な世俗オプション)を得るためにニューヨークやロンドンやベルリン等G7都市に行くことの古典様式についての含意を、内外のアーティスト・作家と交流しているエム・レコードとしては自戒を込めて再考しなければいけない地点におります。田我流『作品集 JUST』で問われた「地方の奴ら、そっちはどうだい?」の岸和田からのアンサー。もうグローバリゼーションの網は自力で外せないほど堅牢にかぶさっているこの渦中で聞くノイズ・ヴァイブス最高。
=作品仕様=
・8頁ブックと別刷り解説インサート封入、帯付
・全曲歌詞掲載
・解説:Soi48
TRACKS:
01. OUT LAW ~Gangsta Blues~
02. GANJA SURVIVOR (feat.BOY-KEN)
03. RISE UP
04. REVOLUTION (feat.YOSK)
05. ARTICAL DON (feat.MAXIM SAW)
06. PIRATES (feat.446)
07. FULL VIBEZ
08. GET OUT OF GHETTO (feat.SR-ONE & ICE-K)
09. DIS RISPECT (feat.SR-ONE)
10. DANGEROUS (feat.BIG BAD & VZ)
11. CHAIN GANG (feat.SR-ONE & HR-STICKO)
12. MASTER PEACE (feat.SR-ONE)
13. VIBEZ 4 LIFE (feat.YOSK & HR-STICKO & SR-ONE)
14. INOCHI (feat.BEAR MAN)