7FO『蘭 - 茫天(らん・ぼうてん)』[conatala-004] LP
5月20日発売。ご予約注文承ります。
『竜のぬけがら』(EM1178CD/LP、2018年)《作品こちら》以後の初の単独フルアルバムとなる、世界注目の7FOの2020年録音アルバム『蘭 - 茫天(らん・ぼうてん)』が困難を乗り越えてここに登場(アナウンスからなんと1年かかった)。楽器の実演奏を多重録音し、どこかしらレゲエの気配をもった侘び寂びアンビエントな『竜のぬけがら』から一転、今回は打ち込み機材のみでアナザーサイド・オブ・7FOを見せつけ、画家・飛鷹宏明の描いた謎の生物のイメージと絶妙のマッチング。詳細は公式案内をお読みください。非力でヨワヨワなエムですがMUST HAVEとして総力をあげて渾身推薦いたします。
=以下、公式案内=
「2020年の3月に作品を作り始める時には、自分の好きなように録音しようとだけ決めていた。世の中にはコロナウイルスが広まってきており、だんだん大変な状況に変化していった。ライブの予定もなく、人ともほとんど会わなかったため、制作中、精神がいつもより少し深い場所にあるような気がしていた。静かな湖に釣り糸を垂らすように機材の前へ座る。新しい何かが水面下に潜んでいることをずっと感じていた。届きそうで届かない、あぶくのように浮かんでは消えるそれを捉えるのだ。」_7FO「蘭 - 茫天」あとがきより抜粋
大阪の電子音楽家/プロデューサー・7FOによる2021年新作アルバム。本作は近年の世界的な「アンビエント/ニューエイジの季節」からはぐれたものであり、ハード機材への打ち込みだけで作られたユニークな音像は、7FOの新境地とも、原点回帰とも呼べるものになっている。「蘭 - 茫天」は、機械による詩的な感性をまとったあたらしい電子音楽アルバムとなった。
RVNG、Bokeh Versions、Metronといった海外レーベルからの発見〜地元・大阪のEM Recordsへと続いたリリースによって、かつてはひっそりと、マイペースに鳴らされていた彼の個人的な民藝品のような音楽は、世界のリスナーのもとへと届いていった。
近年では、ベルギー「ミアクスマ・フェスティバル 2019」でのTapesとの名演から、日韓ツアーへと冒険を重ねる。その湯気の立つような濃密な経験も一段落したころに、熱をクールダウンさせるようにして、誰に頼まれるでもなくひとり、音と向き合った結果うまれた「蘭 - 茫天」。水風呂のようにひんやりとした電子音の内側では、つくり手の心臓が、熱い血液を送っているのが感じられる。
まるで年代不明の自主制作盤のような宅録スケールの箱庭世界に、凝縮された宇宙をのぞき見る。彼は暗い部屋でひとり、1990年前後のKAWAIのデジタルシンセサイザーや、FMシンセなどを駆使し、自然のかたちをなぞるようにして、ミクロとマクロの音世界を響き合わせた。夢見心地に浮遊する、極楽浄土へとつづくリズムとメロディは、ギターを置いてなお、7FOの真骨頂である。
ホームリスニングからクラブサウンドシステムまで対応する、マスタリングは大城真。ひんやりとして、でもどこか人懐っこい、音のイメージを見事にジャケットに現出させたデザインは飛鷹宏明による。
=作品仕様=
・7FOによる「あとがき」インサート封入。
TRACKS:
Side A
1. 「蘭」: Ran
2. 「海、Weed」: Umi,Weed
3. 「⊃_▱●〻」
4. 「フィクション」: Fiction
Side B
1. 「月光」: Gekko
2. 「トムの夢」: Tom no Yume
3. 「電子唄」:Denshi - Uta
4. 「茫天」: Bouten