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葛生千夏「The Lady Of Shalott / The Raven」[Japan: さるすべり SAR101, 1985年] 7-inch EP
中古盤(ジャケットは袋ではなく折り込み・見開き仕様、目立つしわもなく綺麗。ディスクもきれいでNM程度)
Tokiyo Ooto x orhythmo『If All The World Were Paper』CDで思い出して関連出品(そのジャケット図版も要因のひとつ)。
自身が統合失調症(当時の言葉では精神分裂症)であることを公言し、音楽創造はその治療の一端でもあったという特異な作家、葛生千夏(くずう・ちなつ)のデビュー作となる1985年の5曲入り7インチEP。Tokiyo Ootoの題材が18世紀から続く英語圏の童謡であるのに対し、葛生は彼女の頭の中にひろがる中世神話とケルト伝説の世界を特徴ある凛々しいヴォイスと電子楽器で表現。まさしくアウトサイダーという他ないこのユニークな音楽は、当時「ダークなエンヤ」と喩えられることもあったが、現在の耳感覚ではエレクトロニック・アンビエント・ヴォーカルといえるかもしれない。葛生は裏方やCM音楽方面でむしろ活躍し、80年代後半、数々の企業CMやゲーム音楽で彼女の音楽が流れていた。映像を見れば思い出す昭和人も多いのでは?