オフィサー!『オシフィケイション(骨化現象)』[US: Megaphone MEGA025LP, 1984/2014年] LP
発表30周年記念で10年前に製造された精巧なリプロLPのデッドストック、このリプロも入手難。内容はオリジナルと同じ。オリジナル版を拡大したインサート付き、シュリンク封入。
ハーフ・ジャパニーズ、ロー・ヨー・ヨー等の欧英米アヴァンポップ人脈で神出鬼没の活動をする英国の曲者音楽家、ミック・ホッブスのもとで結成された左翼アートミュージック集団、オフィサー!(役人!)の1984年作ファーストLP、その名も『骨化現象』。本作はリコーダー、ハープ、チェロ、ヴァイオリン、バスーンなどを使った似非中世古楽・フォークとアヴァンポップと現代スタジオの音響編集処理を串刺しにし、80年代ポストモダン文脈で徹底したメタレベルから脱NEW WAVEを標榜し成功を収めた希有な1枚!
リリース元の《AYAA》というレーベルは、80年代初期に発足した英レコメンデッド(レコメン)フランス支部のディストリ部門が立ち上げた小レーベル《AAA》が単独法人化した際に改名したもの。オフィサー!はAAAでデビューカセットを発表しているが、そこではアイデアを控えめに試したという散逸した印象。一方、翌年に発表されたこの『骨化現象』ではAksak Maboulにも参加した特殊ヴォーカリストCatherine Jauniaux、Hellebore/Neo MuseumのAntoine Gindt、ヘンリーカウのTim Hodgkinson等々という英欧レコメン/AYAA人脈が参加した奇矯アヴァン音楽共同作業で強力な完成度の底上げを達成した。偉大な先達モンティーパイソンの血統も感じさせる偽物フォークトラッド・空想馬鹿ミュージックのクールさが横溢する傑作!インサートに掲載された歌詞は読みにくいが内容最高です。