SAB『クリスタリゼイション』[EMC-025, 2025年] LP
2025年6月13日発売予定。ご予約承り中です。
あのVanity Records最初期リリース作であり、近年、再評価著しい日本産(プレ・)ニューエイジ傑作を全世界待望の単独LP再発。オリジナルマスターからハイレゾAD変換/最新マスタリングを施し、更に、長年の誤解を解く正しい曲名でお届けする決定版エディション。作品解説:柴崎祐二。
ポストパンク期の大阪を代表するインディー・レーベル、ヴァニティ・レコードの第二弾として1978年に発表された『クリスタリゼイション』は、SAB(サブ)と呼ばれた当時若干19歳の天才音楽家が思い描いた壮大な音楽の叙事詩を、電子音楽機材を用いて磁気テープ上に「結晶化」したアルバムで、「ニューエイジ」の呼称・風俗が日本に広まる前に出現したプレ・ニューエイジ・ミュージックの名盤です。録音では2人のミュージシャンのサポートを受けていますが、大半はSAB自身による多重録音で制作された、いわゆる「宅録」ベースの作品。SABの唯一のソロ・リリースである『クリスタリゼイション』には、Brian EnoとObscureレーベル勢やPopol Vuhからの影響を窺わせる編曲・楽器法が聴けますが、それらの影響からの回避も同時に試みられており、その結果、「どんなシンセ音楽の系譜にも属さない傑作」(※註)という地位を獲得。2020年代のオーディエンスにとっての新たな古典となっています。また、近年勃興したニューエイジ・リバイバルや日本の環境音楽の再発見といった動向の中で、時を経て一層輝かしい音楽価値を持つこととなりました。アートワークにある瑪瑙の図版は思想家ロジェ・カイヨワの著作から着想を得て、まりのるうにい(松岡正剛夫人)が描いたもの。
※註)『レコード・コレクターズ』誌2023年11月号特集「日本の新名盤1970-89」掲載 田山三樹氏による『Crystallization』評。
=作品仕様=
+ オリジナルマスターよりハイレゾAD変換/最新リマスター
+ 解説:柴崎祐二/英訳掲載
TRACKS:
Side A
夢の石(Yume-no-ishi “marble”)(19:37)
Side B
瑪瑙(Menou “agate”)
1. I (9:20)
2. II (4:38)
3. III (7:07)