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ブラッドフォード・コックス『TEENAGE』[Japan: Cascade Delete, 2025年] カセットテープ
(よくお読み下さい)
70年代のファンジンや音楽誌の寄稿者でセックスピストルズの評伝でその名を知られる英の作家でジャーナリスト、ジョン・サベージが、近代以降に出現したとされる「ティーネイジャー(文化)」について書き上げた大著『Teenage: The Creation of Youth Culture』(2007年刊、日本未発売)の映画化作品『TEENAGE』(2013/2014年公開)、そのサントラを大阪在住の一個人がカセットで<公式>リリースした一部で熱く評判の逸品!良き縁があり入荷しました。DVDも出ていない単館上映系の映画ながら、音楽単体が素晴らしく、(本当はいけないんですが)この際、単品アルバムとして楽しもう!という思いで推薦中。
映画『TEENAGE』はアーサー・ラッセルのドキュメンタリー映画を制作したマット・ウルフが監督、全編ほぼモノクロ映像と音楽とナレーションのみで構成されており、ここに占める音楽の重要性は明らか。ウルフは制作開始前からその音楽を旧友のミュージシャン、ブラッドフォード・コックス(Atlas Sound / Deer Hunter)に依頼し、開始早々、大量の音源がコックスから送りつけられ映画はその音楽をイメージの源泉として進められたとのこと。楽曲にはDeer Hunterのレパートリー「VHS Dream」のコックス再演版、NY出身のウルフ監督に縁のある80sノーウェイブ・バンド Chandra「Kate」が含まれていますが、その他は全てコックスのソロ多重録音となります。音楽マニアだというコックスの引き出しから出てきた本当に様々なタイプの器楽曲インストが宅録フィルターを通して現れては消える素晴らしい内容。
【トリヴィア】
カセット装丁に使われた写真は1930年代後半〜40年代のドイツに出現した「German Swing Boy」というティーン風俗を写した現存が確認されている唯一の写真。中央はそのGerman Swing Boyの首謀者のひとりTommie Scheelで、言論文化統制を強める対戦中のナチス官憲によって逮捕された際の撮影。これはサベージの『Teenage: The Creation of Youth Culture』を読まないと!
更なる詳細は版元に掲載> https://cascadedelete.com/