湿った犬 (Shimettainu)『Statement』[Japan: self-released 2019年] LP
ジャケット図版のステッカー付き(5 x 5cm)
札幌在住の古立太一(ふるだてたいち)とAbt(アプト)によるデュオ《湿った犬》の2019年自主制作LP(実は)初入荷。湿った犬も音楽形式そのものを相手にする音楽に取り組んでおり、関西の雄・日野浩志郎と共振して彼のBird Friendから作品リリースもしている。エム・レコードで制作したBird Friendのコンピレーションには2曲収録。
湿った犬の音楽は、ミキサーの出力と入力を直結・フィードバックさせて発振音を鳴らし(マイクをハウリングさせ持続音を鳴らすイメージ)、フィードバックを起こしているミキサーに対してリズムマシンの音を追加入力することで歪んだリズム音を鳴らす、または、フィードバック状態のミキサーのEQやボリュームを操作することで音色や音高を変化させる、という不確実で偶然性の高い音を扱う。それゆえ生演奏を重視し、ライブエレクトロニクス的な一期一会・一発演奏を旨とする。
2009年の結成当初、リズムマシンを流しっぱなしにし、機械的に一定のテンポで進む時間軸の中、テクノ的な考え方の演奏を行なってきたが(クラブイベント出演がほとんどだった理由もある)、その機械的時間に自らが拘束されてしまうことに限界を発見。しかし、リズムマシンをライブ演奏中にスタート・ストップする手法を開拓しその拘束から脱出。『Statement』はその技術上の過渡期に発表したもので、題名にはその新しいフェーズを開拓した彼らの「宣言」という意味も込められている。本作はリズムマシンの操作を実践する前と後の変化が記録されており、聴取のポイントのひとつになっている。
=作品仕様=
+ 12-inch LP、シュリンク封入
+ ステッカー付き
TRACKS:
A1. muscle memory
A2. rice pudding developer
A3. gas monkey
A4. peak flavour
A5. man vs wild
B1. cheese and dip
B2. chicken breast
B3. why don’t you do your best
B4. fruits stand