Anton Webern [ Passacaglia Op. 1 他] LP

販売価格 0円(税0円)

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※試聴クリップはページ下部にあります。


[Netherlands: Philips, 1960s] LP

収録曲:「Passacaglia Op. 1」「Six Pieces For Large Orchestra Op. 6」「Five Pieces For Orchestra Op. 10」 「Symphony Op. 21」「Concerto Op. 24」「Variations For Orchestra Op. 30」「Orchestration Of Bach's "Ricercar”」

作曲の大前提かつ暗黙のルールである「調性」(雑にいうと一曲にひとつの特定のキーを設ける考え)という、音符を並べれば自ずと出現する強力な「調」(キー)の磁場から逃れ、かつ混沌に陥らず有意味な作曲方法を探求した無調音楽の最初期牽引者(※発明者ではない)にシェーンベルクがいますが、その弟子で、シェーンベルクを筆頭にした新ウィーン楽派の中核がこのアントン・ヴェーベルン(1883-1945)。生前、ヴェーベルンは一般はもちろん作家筋にもほとんど理解されなかった最前衛で、挙げ句、誤って射殺(!)されてしまう悲劇的な人ですが、新ウィーン楽派が切り開いていく無調音楽つまり十二音技法(*註)の使い手としては、師シェーンベルクの苦労をよそにそれを存分に使いこなすことのできた希有な作家。生前発表された作品はたった三十数曲という寡作で、知られる特徴は、小品だとほんの数分、交響曲でもたった10分ちょっと(!)という変態的な短かさ、音が点描のように配置されて各音が聞き取れること、各音符の音色(トーン)を入念に選ぶ点がある。これらは我々がよく知る80年代以降の電子音楽〜アンビエント作品にも合致する感性で、ヴェーベルンの諸作には未来の音楽が埋め込まれているのだ。
本作は、戦後に「発見」されたヴェーベルンの初めての本格的な再評価録音を行った60年代初期のLPで、米時代のストラヴィンスキー(晩年ヴェーベルンに傾倒)の秘書であり新ウィーン楽派の録音を数多く行ったロバート・クラフトが選曲と指揮を担当したリアルタイム世代による正統な作品。代表曲「パッサカリア」他を収録。試聴曲は初演で戸惑った聴衆が笑い出したという逸話(それでヴェーベルンの落胆の泣き声がかき消されたとも!)のある「交響曲 作品21」(1928)と後期作「協奏曲 作品24」(1934)のめちゃめちゃカッコいい2作をアップ。なお、彼は熱心な神秘主義者で、ゲーテの「原植物」概念に傾倒していたという記述も。

ディスクVG+:見た目ピカピカですがこの時代の製造クオリティーでありがちなスレプチノイズあり。
ジャケットVG-:腰の柔らかい紙のため周囲に経年折れシワあり、裏面余白に一ヶ所小さくシール剥がし跡、見開きスリーブ。

※註「十二音技法」とは平均律の音律=オクターブを12の半音に分割した音(音高)をひとつの曲でできるだけ等分に使うという技法。その目的は、音符の偏りで主たるキー(調性)が発生してしまう可能性を下げる・無くすことにある。十二音技法から発展した発見のひとつには、ひとつの音列から生まれる様々な響きの重視、情動的な旋律ではなく「音響」に着目するアプローチの発展がある。後に十二音技法は音高だけでなく音価、強弱、トーンまで管理する「セリー」(トータル・セリエリズム)に発展しモダニティの極地を現出。

Sample 1

Sample 2

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