フィーリックス・マシーンズ『フィーリックス・マシーンズ EP』CD
[UK: Lumin 001CD, 2011年] CD
スペンサー・ドーラン(Visble Cloaks)のソロプロジェクト、コンポニウム・アンサンブルによって再提示された自動演奏楽器の世界ですが、筐体ハードウェアとしての自動演奏楽器は20世紀初頭が製造ピークとなり、それ以降、ラジオとその他音盤の普及と交差するように姿を消していきました。その自動演奏楽器については以下が参考になります。
「プロトMIDI音楽機械と自動演奏楽器10選」by スペンサー・ドーラン (Visible Cloaks)
こちら>
https://x.gd/sB48Q
ところが!20世紀の後半には博物館で埃を被っていたこの自動演奏楽器を、驚愕のレベルで現代にアップデートしていたクリエイターがいた!!本作『フィーリックス・マシーンズ EP』は、機械製造者で工業デザイナーでもある英国生まれのアーティスト、フィーリックス・ソーンが製作してきた「超絶」自動演奏楽器の演奏集で、2007年から2010年にかけ、英国とノルウェーで設置展示した際の録音をコンパイルしたもの。Youtube映像でその機構の一端を確認できますが、極めて複雑で室内楽でいえば八重奏以上の構成をもった、しかもオルゴール方式のループ演奏ではなく、起承転結のある複数の曲を自動演奏させているのは、もはや「物凄い」としか言いようがない!その演奏もヒューマンと機械の中間をつくような非常にカッコいい内容、2011年に英のとある団体が制作したもはやどこにも売っていない本CDですが、幸運にも作家所有のストックをご厚意で入手。事実上のラストストックをお逃しなく。MUST!!(Special thanks: Spencer Doran)