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竹村延和『意味のたま』[Japan: HEADZ 271, 2025] CD + 特典ポストカード付き
Takaoが影響を受けた音楽家、竹村延和の本当に久々のアルバムがTakaoの『The End of the Brim』と同時期にリリースされます。この素晴らしきご縁を大切に、双方を祝ってエムでも『意味のたま』を取り扱います。(Special thanks: Ogihara-san)
『意味のたま』は、約8年の間に制作された数多ある曲を作家の自選で編んだものということですが、コンピレーションの気配は全くなく、むしろコンセプト作のように統一性のある「アルバム」です。『意味のたま』の入っている容器は、長い月日かけてできたいわゆるクラシカル音楽の糸で編まれた入れ物です。その糸は、教会音楽、ロマン派、調性からコンテンポラリー、無調・セリエル、そしてポストモダンといった色がありますが、『意味のたま』は竹村の信条と美学でもって、それら糸をとって丸めた「毛糸の玉のようなもの」の無垢なる集合体と云えるかもしれません。
日本盤の仕様:
1曲ボーナストラックを追加。
Thrill Jockey原盤の配信音源(日本国内の配信も含む)やThrill Jockey盤のCD/LPとは細部が異なる新たなマスタリング音源を使用。
以下、公式案内を転載:
トータス、ヨ・ラ・テンゴ、スティーヴ・ライヒ他、多くのコラボレーションでも知られるアーティスト・作曲家、竹村延和が、米シカゴの名門インディー・レーベル、Thrill Jockey Recordsより、オリジナル・アルバムとしては2014年の『Zeitraum』以来となる約11年半振りの新作アルバム『意味のたま』(日本盤用の邦題。オリジナル・タイトルは『knot of meanings』)(THRILL-JP 62 / HEADZ 271)をリリース。
(Thrill Jockeyからは22年振りのリリースとなります)
2016年から2024年の間にレコーディングされた珠玉の楽曲、全18曲(日本盤はボーナス・トラックを1曲追加し、全19曲収録)を収録。
このアルバムに収録されている楽曲は、アルバムのために新たに書き下ろしたものではなく、録り溜めていた過去の膨大な楽曲の中から竹村自身が厳選したものになります。
曲の構想が2000年代中頃からあったものも含まれており、レコーディングは竹村の京都にあるスタジオ(moonlit studio)で行われています。
作曲からプログラミング、演奏、レコーディング、編集まで、竹村がすべて一人で行っており、日本人シンガーdoroがゲスト・ヴォーカルとして参加しています。
スキマキ・アニメーションによるアニメーション作品『深海の虹』(2019年)のサウンドトラックも収録。
竹村によれば、
「「knot of meanings」は 直訳すると「意味の結び目」ですが、邦題の「意味のたま」は、洋裁で用いる毛糸の玉のようなもので、そこから意味が泉の様に導かれてくることを示しています。リスナーは単に多義的なものとしてジャケットのガラスの断片・ モザイクから、各自自由に全体像を描き、受け取ってもらえれば幸いです。」
とのことで、ジャケットのガラスのオブジェクトの作成や撮影も竹村本人が手掛けており、その受け取り方は(様々なスタイルの収録曲が混在した)アルバムの内容ともども、リスナーそれぞれに委ねています。
竹村が長年、“Child’s View” (子供の視点)を用いて、知的好奇心を原動力として、表現や創作活動を続けてきた結晶が、このアルバムとなっています。
常に驚きと喜びを感じられるものを作るという理念を大切にし、同じことを繰り返すことはせず(停滞や反復に抵抗し)、新たな発見のあるような独創的な作品を探求して来たことの実証でもあります。
【収録曲】
1. 明滅する火花(an ephemeral radiant)
2. サヴォナローラのまなざし(savonarola's insight)
3. 眼球生物(ocular creature)
4. ネリと森のはなし(neri)
5. 残像と予兆(afterglow apprehension)
6. ガルフ(the gulf)
7. 覆われた文法(veiled grammar)
8. 模倣の渦(evade the swirling mimicry)
9. 未規定の生物(the elusive beings)
10. ラダー・オブ・ミーニング(ladder of meaning)
11. 鉄の階梯(iron staircase)
12. シーピング・ルミナス(luminous seeping through the crevices)
13. インスケイプ(inscape)
14. 憧憬と霞(a subdued longing and gentle ache)
15. べスリア(in bethulia)
16. 深海の虹 パート1(deep sea's rainbow part1)
17. 深海の虹 パート2(deep sea's rainbow part2)
18. 深海の虹 パート3(deep sea's rainbow part3)
19. 東の十字路(Kreuzung im Osten)
※ track 19…日本盤のみのボーナス・トラック
recorded at moonlit studio 2016-2024
written by nobukazu takemura
voice: doro * 2, 4, 6, 9, 12, 13, 15