1970年発表の本当に幻の自主盤7インチを当時のレーベル盤面まで忠実にリプロダクションしたコレクターズ・リリース。(もともと卸値高+円安でこういうお値段。ご容赦を。)
『ROCK MAGAZINE』、Vanity Recordsなどなどなど死してもなお存在を示し続ける阿木譲(あぎ・ゆずる)の自主制作盤であり、阿木の生前には関係者およびコレクター達に秘匿(タブー視?)されてきたシングルがこれ。60年代に東芝から歌手デビューし芸能界での成功を目論んでいた阿木が、後年、日本のパンク>ポストパンク>ニューウェーヴを引率するインディー側の仕掛け人となる、その跳躍の起点というべき重要な一枚だ。
時期は連合赤軍あさま山荘事件の2年前、ヒッピー族、フーテン族の時代、歌詞はカウンターカルチャー思想そのもので、関西アングラ・フォークの香りも持っている。「生きてるだけのことなんだ」はハプニングス・フォー時代(怪盤『アウトサイダーの世界』の頃)のクニ河内が編曲を行っている。
この何年か政治的にも物量的にも騒がしかったVanity関係のリリースで、すっかり阿木=ニューウェーブの物語りになっているが、この原初ロック的な阿木の姿には捨て難い魅力がある。決して忘れ去られてはいけない歴史のMUST盤。
=作品仕様=
+ 7インチ
+ 英訳インサート付き
TRACKS:
Side A 生きてるだけのことなんだ
Side B 俺らは悲しいウィークエンドヒッピー