※試聴クリップはページ下部にあります。
ヴァージニア・アストレイ『やすらぎの庭から (英原題:From Gardens Where We Feel Secure) 』(1983年)[Artist self-release, 2022年]
※本作の装丁は2003年に本国イギリスで初CD化された際の図版が使われており、英オリジナルLPとは異なります。
聴くほどに安息感をもたらす牧歌的ネオ・クラシカル・ミュージックの金字塔、ヴァージニア・アストレイの1983年の1stソロ・アルバムが、作者の自主盤としておよそ20年ぶりにCDプレスされました。初体験の方はもちろん、昔持っていて手放してしまった方もぜひもう一度お手元に。
『やすらぎの庭から』はピアノとフルートとフィールドレコーディングで構成されています。アストレイが故郷オックスフォードシャーの初夏の田園地帯の自然音、環境音を早朝から夕刻にかけ採録し、それを彼女が作曲演奏するピアノとフルートに並列する楽音として使用。テープ逆回転やループ、音響効果など編集テクニックを駆使し(まるでそこに妖精や牧神がいるかのような)初夏の英国の田園風景それ自体のサウンド・スケッチを試みた35分のアルバムです。いま、そうしたテクニックはネオ・クラシカル/アンビエント/電子音楽で定番的な手法になっていますが、『やすらぎの庭から』は、それらは前衛的音楽の専売でなく、クラシカルな音楽でも有効な表現手段になることを示し、音楽家を含めた多くの人達を魅了してきました。当時それが英ラフ・トレードの手を介して発表された点も重要。
『やすらぎの庭から』の初CD化は1989年の日本盤(今やレア盤)ですが、今回、そのカバー装丁と帯の複製をおまけにお付けします。写真参照のこと。
=トリビア=
『やすらぎの庭から』の世界初CD化は『サンクタス』と改題されたものだった。その理由は当時、富士通のCFに起用されたアストレイのアルバム未収曲「サンクタス」が推しだったためで、「サンクタス」含むアルバム未収のボーナストラックを付けてリリースされた(十数年後に出た米盤も同内容)。なお、装丁の絵柄は英オリジナルLP盤と同じものが使用された。
=作品仕様=
+ 見開きデジパック
+ 1989年の初CD化の際の装丁と帯の複製コピーをおまけに付けます。
TRACKS:
=Morning=
1. With My Eyes Wide Open I'm Dreaming
2. A Summer Long Since Past
3. From Gardens Where We Feel Secure
4. Hiding In The Ha-Ha
=Afternoon=
5. Out On The Lawn I Lie In Bed
6. Too Bright For Peacocks
7. Summer Of Their Dreams
8. When The Fields Were On Fire
9. It's Too Hot To Sleep