※試聴クリップはページ下部にあります。
Ping and Pong (Dydsu and Park Daham) 『Symbiosis(共生)』[Korea: Eternal Dragon EDZ016、2023年] カセットテープ
韓国インディーの要人でヘリコプター・レコード主宰のパク・ダハムと、彼とコンビを組んで活動するDydsuのPing and Pong名義の最新作品。アート系リスナーにオススメ。
二人はB2Bでディージェイすることから卓球のリレー「ピンポン」を名前にして、これまで5種のミックスをリリース。
今作『Symbiosis(共生社会)』は韓国の作家、チェ・ジョンファとカン・ミングのインスタレーション/エキシビジョン「Mui-Mui Toi Toi」に影響されて作ったというミックスで、これまで以上に明確にエクスペリメンタル/アート方向に振った音になっている。具体的には、聖歌歌唱にはじまり、人間の声、怪しい具体音、器楽、意味不明の音塊と音楽的なパーツが混在しつつ何層にもわたって重ねられ、現われては消えることを繰り返して進んでいく。これらをあらかじめ録音された音(pre-recorded)を用いた<演奏>と捉えれば、DJという呼称より現在形のテープ音楽といえなくもないが、実際はその境界にあるパフォーマンスというのが的確かもしれない。
『Symbiosis(共生社会)』は全体で2時間弱の大作で、カセットは前半の約1時間分を収録し、後半1時間は付属のDLクーポンで入手できる。