Visible Cloaks『Paradessence』[US: RVNGNL128LP, 2026年] LP 通常黒盤
Visible Cloaksの新しいアルバム『Paradessence』の発表を祝し、本作にフィーチャーされたスペンサー・ドーランの不確定性室内楽プロジェクト、コンポニウム・アンサンブル『8 Automated Works』CDもしくは10インチを特典としてお付けします(無償)。ご所望のフォーマットはプルダウンメニューからお選び下さい。(見本写真の『Paradessence』LPは限定メタリック盤です)
ヴィジブル・クロークスの3枚目のフルアルバムとなる『パラドエッセンス』は、建築理論家クリストファー・アレクサンダーの「ポジティブ・スペース」の概念から影響を受けて云々と批評家陣のここぞとばかりの「知的な」言葉遣いの解説が英語圏内に散見されますが、思い切り簡単にいうと、VCは有機的なものと人工的なもの、偶然と意図、本物と複製といった両義の矛盾の境界にこそ開拓すべき領域というか、未知のものがあり得るのではないか?という仮説をもとに探求を続けているように思えます。そう見ると、作家アレックス・シャカールの「パラドックス(逆説)」と「エッセンス(本質)」を組み合わせた造語から取られたという今回の題名はさもありなん。アートワークともちろんその音楽も然り。『パラドエッセンス』の先行作品にもなるコンポニウム・アンサンブルのリリース時に「これはAI生成か?」という雑な質問が出ていましたが(答え:AI生成ではありません)、VCの狙うのは人間やAI(テクノロジー)のそのどちらでもない、両者の協調可能な境界をめぐる非常に微妙な綱引きで、その上に築かれたのが『パラドエッセンス』なのではないでしょうか。人間にとってテクノロジーは常に有用と危険の両輪で、いま我々はそれに滅ぼされるディストピアの予感すら抱いていますが、結局、我々は自らが生み出したテクノロジーと折り合うことしか選択肢はないという命題のようなものへの、芸術がなし得る限られた美学的な宣言のようにも思えます。
コンポニウム・アンサンブルのミキシングをやったMotion Graphicのジョー・ウィリアムズ、お馴染みのコラボレーター、尾島由郎と柴野さつき、フェリシア・アトキンソン、ルーマニアの作曲家兼ヴァイオリニスト、イオアナ・シェラルが参加。
傑作!!