Daniel Lentz『In the Sea of Ionia』[US: Cold Blue Music CB0042, 2015年] CD
レンツが2007年から2014年にかけて作曲したピアノ作品を収録した万華鏡のような鍵盤曲集。かつてアンビエント・ピアノ諸作に対する挑戦状といわれた『Point Conception』(1984年)はストイックなピアノ音響の探求でしたが、ここでは多様な技術でポストモダンかつポストミニマルの更にその先を見ようとしています。極めて短く対照的な51のノクターンが途切れなく連なる「51 Nocturnes」、3台のピアノのポリリズムを探った「Pacific Coast Highway」、常にアイデアが変化し豊かなダイナミクスとメロディアスな要素が共存する4楽章からなる組曲「Dorchester Tropes」、そして表題曲「In The Sea Of Ionia」はレンツお馴染みのカスケードエコー・システムを用いて静寂に始まり熱狂的な激しさに達す、「プロセスミュージック」を標榜したレンツの真骨頂といえます。グラミーノミネート経験のあるピアニスト、アーロン・カレイによる多重録音を含んだ演奏。