ローランド P. ヤング『コンフルエンシズ(合流点)』EM1133CD
デジタル配信版はこちらで購入できます:https://emrecords.bandcamp.com/album/em-records
われらがRPYの2014年作。全曲テルアビブ録音でのコンプロヴィゼーション。
何かに怒って抗議しているかのごときヒリヒリした攻撃感のあったブルックリン録音の『ミスティフォニック』(2011)の後にアメリカを去り、ローランドはイスラエルに移住。前作と明らかに異なるモチベーションで臨んだ『コンフルエンシズ(※人、思想、川などが合流する場所の意)』は『アイソフォニック・ブギウギ』(1980)に立ち返ったような雰囲気で、そこに『イステット・セレナーデ』(2007)で聞かせた多重録音のテクニックを結びつけた作品だ。
中近東系のスケールを用いたモード・ジャズのような「Clutch」から始まり、パーカッション&キーボードのミニマルなフレーズ、独特のタイム感、トレードマークであるカリンバと管楽器を組み合わせ、今回はターンテーブル使用のスクラッチ音?も入れたエレクトロ音楽を展開。RPYの「アイソフォニック」哲学をコアにした揺るぎないエスニシティ、相変わらずいつの時代かよくわからない音を提示する。ひとたび演奏が始まると一気に作品に引き込み耳を傾けさせてしまう説得力が頼もしい。ニューエイジリバイバルにも訴えかけるような作品。
TRACKS:
1. Clutch
2. Estimationism
3. Late Afternoon Light
4. Moon & Stars
5. Parenthetically
6. Three Olives
7. The Light of Night
8. Voices